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日本で働くアメリカ人が納得できない「稟議」の文化

ここだヘンだよ、日本のサラリーマン③:日本の外資系企業で働く外国人サラリーマンの場合

日本と欧米のサラリーマン社会の交差点で、多くの経験を積んできた筆者が、多角的に改めて日本のサラリーマン社会を分析してみた。「ここだヘンだよ、日本のサラリーマン」シリーズ第3回で話を聞いたのは、日本の外資系企業で働く外国人サラリーマン。

■メールの挨拶、稟議書の文化に疑問

 アメリカで生まれ育ちながら漫画で見た日本に憧れ、日本の大学に留学生としてやってきて、その後も日本に残り、日系の大手総合商社で働く、ブライトさん(仮名。20代女性)。日本語も流暢に話し、必然的に日本という国に対して、第二の祖国としての愛着を持っている。そんなブライトさんから見た、日本のサラリーマンのヘンな点とは、どういった点があるだろうか。

「メールの挨拶の言葉とか、面倒臭いと思うことがありますね。本当に伝えたいメッセージはたった一行で済むのですが、その前に何を書けばいいのか、メールの最後には何を書けばいいかと考えるのに、すごく時間がかかることがあります。大切な取引先だと、特にそうなりますね。これ、日本人でもそう思っている人は沢山いると思います。アメリカ人同士だと、単刀直入に言いたいことだけ書いてすぐにメールを送った方がいい人ばかりなので、この点はアメリカのサラリーマンの方が簡単ですね」

 ヘンな点はメールだけではなく、日本独特の企業文化、風習にも及ぶ。

 

「稟議っていう制度が日本企業ではよくあるみたいですが、これって、昔の侍が連盟でクーデターを起こすとき、誰が首謀者か分からなくなるように、色んな人の名前と血判を円状に連ねていったのと同じ理論じゃないですか?何か問題が起こったときに、誰が最終的な責任者なのかよく分からないようにする為の仕組みなんじゃないかな、なんて思うんですが。問題が起こったときに、一人の責任者をつるし上げないようにする、日本人独特のやさしい企業文化なのかも知れませんが、このお陰で決断を下すのに本当に時間がかかりますね」

 
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竹鼻 智

たけはな さとし

1975年東京都生まれ。明治大学経営学部卒、Nyenrode Business Universiteit(オランダ)経営学修士。2006年より英国ロンドンに在住。ITコンサルタントとジャーナリストのフリーランス二足の草鞋を履きながら活動し、「ラグビーマガジン」(ベースボールマガジン社)、「Number」(文藝春秋)、「週刊エコノミスト」(毎日新聞社)へのコラム執筆など、現地からの情報を日本へ向けて発信。BEST T!MESでは、イングランド代表HC、エディー・ジョーンズ氏の連載「プレッシャーの力」の構成を担当。


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